2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06329
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野尻 浩之 東北大学, 金属材料研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
OUYANG Zhongwen 東北大学, 金属材料研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 強磁場 / 放射線X線 / 機能性材料 |
Research Abstract |
希土類ホウ化物RB_4は幾何学的フラストレーションによる特異な磁性が期待されるため興味を持たれている。特にTbB_4はT_<N1>=44KとT_<N2>=24Kに反強磁性転移温度があり、低温で強い磁場を印加すると多段のメタ磁性転移が観測されるがその起源が不明である。本研究で磁気構造を探る目的でパルス強磁場中の共鳴磁気回折実験をSPring-8で行った。 (1)パルス磁場発生様マグネットの作成 直径49mm、内径6mmの超小型パルスマグネットを作成した。東北大において磁場発生実験を行ったところ、静電容量:7.2mFのコンデンサー電源を用いて、1500Vにおいて2.5kAの最大電流で30Tの最大磁場を発生させることに成功した。パルス幅は約9msであり、これは、設計時に行ったシミュレーションの結果と良く一致する。 (2)SPring-8におけるTbB_4の共鳴磁気回折実験 一般にX線磁気回折の信号強度は非常に弱いが、TbのL吸収端にX線エネルギーを共鳴させることでその強度が著しく増大する。実験はTbB_4単結晶を用い、SPring-8のBL22XUビームラインにおいて行った。主な成果は以下の通りである。 (1)通常禁制反射である(100)反射は7.5094keVで共鳴的に強度を増大させる。 (2)(100)反射は昇温により強度を減少させ、T_<N1>=44Kでほぼ消える。 (3)(100)反射の磁場依存性を8Kと17Kにおいて測定し、強磁場磁化過程と対応する反射強度の磁場依存性が観測された。(100)反射はメタマグ転移ですぐに消えるのではなく、なだらかに減少し、30Tでほぼ消失することが明らかになった。
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