2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06330
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
全 卓樹 高知工科大学, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
IQBAL AZHAR 高知工科大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 量子力学 / ゲーム理論 / 量子情報 / 数理物理 |
Research Abstract |
従来のゲーム理論の量子論的拡張である「量子ゲーム理論」をゲーム理論の側面、量子情報理論の側面の両方探った。量子ゲームについては、これまで様々なアプローチがバラバラに存在し、それらの間の関係も明確でなく、それらの物理的意義も不明であった。本年度の研究では量子的な設定のもとで辻棲のあったゲーム理論を作る一般的な原理について考察し、それを数学的に具体化する手法の考案を試みた。そしてその結果次のような結果を得た。 (1)量子ヒルベルト空間に戦略空間を一対一に対応させるためのいくつかの手法について考え、とくに全=筒井の定式化とシュミット分解にもとづく定式化について詳しく調べた。シュミット分解を用いたものが、多戦略の一般的な場合の拡張が可能な事をを発見した (2)全=筒井の定式化を用いて、囚人のディレンマ、チキンゲーム、スタグハント・ゲームの三つのに戦略ゲームについてナッシュ平衡の量子化による変化を詳しく調べた。 (3)従来のアイザートの手法、マリナットの手法、ナワズの手法等を、統一的観点から位置づけ、どのような場合にどの手法が有効でありうるかを明確にした。特にアイザート法の批判を行った。 (4)ナッシュ均衡点に与える量子化の効果を考え、それを「擬古典的」な成分と「量子干渉」成分に分割して、物理的意義が夫々明確になる事を解明した。擬古典的な項について詳細に調べそれが古典的ゲームのパラメタ的拡張族である事を明確にした。
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Research Products
(3 results)