2006 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマイオン照射法による二層カーボンナノチューブ内部でのp-n接合形成
Project/Area Number |
06F06336
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
畠山 力三 東北大学, 大学院工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LI Yongfeng 東北大学, 大学院工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 二層カーボンナノチューブ / プラズマイオン照射 / p-n接合形成 / 原子・分子内包 / Qマシンプラズマ |
Research Abstract |
1.二層カーボンナノチューブ内に電子ドナー(アルカリ金属)及び電子アクセプター(フラーレンC_<60>)を内包させる手法として,接触熱電離型プラズマ発生装置を使用した内包プロセスを適用した.セシウム正イオンとC_<60>負イオン及び電子からなる,密度が10^9 cm^<-3>程度のQマシンプラズマを生成し,二層カーボンナノチューブを塗布した基板へのバイアス印加により,プラズマ中の正および負イオンを照射することで,ナノチューブ内に注入することに成功した. 2.これらの電気伝導特性を詳細に調べたところ,プラズマイオン照射前の二層カーボンナノチューブが両極性半導体特性を示すのに対して,セシウムを内包することで高性能のn型半導体特性を示すことが明らかになった.これは,セシウムが電子ドナー性を有しているためである.一方,フラーレンC_<60>を内包した二層カーボンナノチューブは,反対にp型半導体特性を示すことが分かり,C_<60>が電子アクセプタ性を有していることを示している. 3.プラズマイオン照射の際の基板バイアスを変化させ,二層カーボンナノチューブへのセシウムの充填率を制御することによって,充填率が比較的低い場合にカーボンナノチューブ内でp-n接合が形成されることを明らかにした. 4.セシウム内包二層カーボンナノチューブの電気伝導特性を真空中と大気中で測定し比較したところ,どちらの場合も同様に高性能のn型半導体特性を示すことが分かり,セシウムを内包したカーボンナノチューブが大気中でも安定であることを実証した.
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