2006 Fiscal Year Annual Research Report
鉄触媒交差カップリング反応の精密制御と合成への応用
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06F06346
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 正治 京都大学, 化学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GHORAI Sujit Kumar 京都大学, 化学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 鉄触媒 / クロスカップリング / 精密合成反応 / 普遍金属 / 塩化アルキル / N-ヘテロサイクリックカルベン / 有機マグネシウム化合物 / 化学資源 |
Research Abstract |
本研究では,安全・安価な鉄を使うクロスカップリング反応の精密制御を達成し,この新規触媒的炭素-炭素結合生成反応を,有用物質合成へと応用することを目標としている.鉄触媒は反応系中での酸化・還元状態の制御が必ずしも容易ではないが,電子供与能に優れるN-ヘテロサイクリックカルベン配位子を用いて望みのクロスカップリング反応を,より選択的かつ高効率で行うことを検討する.最終的には,立体制御による触媒的不斉炭素-炭素結合形成反応の実現を達成することで,この新規クロスカップリング反応を生理活性物質などの複雑分子合成に展開することを計画している. 初年度は6ヶ月の研究期間の中で,鉄触媒クロスカップリングに有効な配位子の探索実験を行った.塩化アルキル類を基質として用い,有機マグネシウムおよび有機亜鉛試薬によるクロスカップリング反応を試みた.通常,炭素-塩素結合は強固であり,その選択的な切断および他の有機基での置換反応は困難を極める.以前に開発したジアミン配位子を用いた触媒系と,N-ヘテロサイクリックカルベン配位子を用いた新規の触媒系での比較実験を行ったところ,後者が塩化アルキルのクロスカップリング反応に高活性を示し,一級,二級の多様な塩化アルキル類,またある種の三級塩化アルキルや,ポリ塩化アルキルとの反応においても高収率で望みのカップリング生成物を与えることが明らかとなった.現在この成果については論文を執筆中である.
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