2007 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化型キラル多孔質ナノ触媒の創製と実践的不斉合成プロセスの開拓
Project/Area Number |
06F06348
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
稲永 純二 Kyushu University, 先導物質化学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KALLURI Ranganath Venkata Sri 九州大学, 先導物質化学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 自己組織化 / キラル不均一触媒 / フロー反応システム / 不斉エポキシ化 / 不斉触媒 |
Research Abstract |
高性能・高耐久性の不均一キラル錯体触媒の創製と不斉合成プロセスの開発研究を行った。 1.高性能超分子キラル固体触媒の一段調製:スペーサーの異なる不斉配位子や2座配位性のアキラル配位子などを用いて10種類の触媒を新たに調製しその性能を共役エノンの不斉エポキシ化反応を使って評価したところ、このうち3種類が高性能を有することを見出した。 2.触媒構造および物性の解析:優れた結果を与えた固体触媒についてその電子顕微鏡によるSEM解析を行ったところ、これが約50ナノメートルの比較的均一な粒子として存在していることが明らかになった。また各種の分子量測定や反応機構解析から真の触媒活性種は金属イオンとキラル配位子およびアキラル配位子の構成比が1:1:1からなっていることを明らかにした。 3.不斉反応による触媒能評価:主に不斉酸化反応と不斉マイケル付加反応の2つについて詳しく検討した結果、本法は不斉酸化触媒調製法として優れていることが明らかとなった。 4.不斉触媒反応カラムの作製と性能評価:触媒分散剤として適度の架橋度と重合度を有するポリスチレンが優れていることを見出した。また、マイクロフローカラムに触媒および分散剤を充填して行った共役二重結合化合物の室温における連続不斉酸化反応実験において、高い化学収率(>94%)、高立体選択性(99%ee)、ならびに高触媒回転効率(TON>100)を実現した。
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Research Products
(3 results)