2006 Fiscal Year Annual Research Report
オレフィンの精密配位・メタセシス重合のための高性能バナジウム錯体触媒の設計・合成
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06F06349
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
野村 琴広 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG Wenjuan 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | バナジウム / オレフィンメタセシス / アルキリデン錯体 / 配位・挿入反応 / アルキル錯体 / 配位子効果 / オレフィン重合 / 触媒設計 |
Research Abstract |
本課題はオレフィンの精密重合を指向した高性能バナジウム錯体触媒の設計・合成とその特徴を生かした高分子機能材料の創製に関する。特に今迄の成果を基盤にアリールイミド配位錯体に注目し、アニオン性キレート配位子を有する錯体を各種合成し、オレフィンの配位重合やメタセシス反応に有効な高性能触媒の創製を目的としている。平成18年度の主な成果は以下の通りである 本課題で有効と期待される非対称型キレート配位子である各種ピリジン配位子を、初期に想定した合成スキームに従って検討している。また、本課題に関連する基礎的知見の確立を目的に、従来のアリールイミド配位子ではなく、アルキルイミド配位子として、かさ高いアルキル基を有するアダマンチルイミド配位錯体,(AdN)VCl_3,の合成手法を確立し、各種アニオン性支持配位子を有するジクロロ錯体,(AdN)VCl_2(L)(L : aryloxo, ketimide etc.),の合成・同定に成功した。トリクロリド錯体やフェノキソ錯体やケチミド錯体などの一部はX線構造解析により、その構造を決定している。今後、同配位子を有するアルキル錯体やアルキリデン錯体の合成を並行して進めるつもりである。また、比較として、アリールイミド-ケチミド配位バナジウム錯体の合成を検討し、既報のアルキリデン錯体の反応性に関する研究を行うつもりである。本成果は、今夏の国際会議や今秋の国内の討論会で発表を予定している。
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