2006 Fiscal Year Annual Research Report
フォルダマーを側鎖に有する新規らせん高分子の構築と応用
Project/Area Number |
06F06350
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
八島 栄次 名古屋大学, 大学院工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WU Zong-Quan 名古屋大学, 大学院工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | らせん / ポリイソシアニド / 光学活性 / キラル / 円二色性 / 高分子 |
Research Abstract |
我々は最近、側鎖に長鎖アルキル基を有する光学活性イソシアニド誘導体をニッケル触媒により重合する際に、重合溶媒や温度を変えることにより、左右両方向のらせん構造を有するポリイソシアニド誘導体の作り分けが可能であることを報告している。本研究では、ジアセチレン部位を有する新規パラジウム触媒を合成し、側鎖に長鎖アルキル基を有する光学活性イソシアニド誘導体に対する得られたパラジウム触媒の重合活性について検討を行った。 ジアセチレン部位を有するパラジウム触媒は、フェニルアセチレンを出発原料として、4段階の反応を経て合成した。次に、得られたパラジウム触媒を用いて、側鎖に長鎖アルキル基を有する光学活性イソシアニド誘導体をTHF中、58℃で24時間重合したところ、非常に高収率で目的のポリイソシアニド誘導体が得られた。サイズ排除クロマトグラフィーにより見積もられたポリマーの分子量は比較的大きく、分子量分布は狭い値であった。得られた光学活性ポリイソシアニド誘導体のクロロホルム中における円二色性(CD)スペクトルを測定したところ、主鎖のイミノメチレン領域に非常に大きな誘起CDが観測された。この結果は、得られた光学活性ポリイソシアニド誘導体が溶液中において一方向巻きに片寄ったらせん構造を形成していることを示している。現在、同触媒を用いて様々な条件下で重合を行い、左右両方向のらせん構造を有するポリイソシアニド誘導体の作り分けが可能であるかどうか検討している。
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