2008 Fiscal Year Annual Research Report
高次機能性ナノ金属錯体:スピンクロスオーバーや伝導性を示す単分子量子磁石の創製
Project/Area Number |
06F06351
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大塩 寛紀 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG Shi 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 分子磁性 / 結晶構造 / 複合物性 / 量子磁石 / 伝導性 / スピンクロスオーバー |
Research Abstract |
本研究においては,分子一つ一つが磁石として振舞うナノ磁石(単分子磁石・単一次元鎖磁石)を研究対象とし,これらに電気伝導性やスピンクロスオーバーなどの物性を付加することにより,量子磁性と伝導性などが共存する高次機能性ナノ金属錯体の創製を目的としている。本年度は,昨年度に引き続き単分子磁石として振舞うMn(III)-Cu(II)複核錯体と,伝導性錯体を与える分子でアニオン性の金属dmit錯体やTCNQ等,種々の伝導性物質との複合錯体の合成を試みると同時に,昨年度に引き続き,新しい物質系の探索として3回対称軸を有するトリフェニルアミンを基礎骨格に持つ配位子の合成とそれを用いた金属錯体の合成を試みた。トリフェニルアミンを母骨格とするオリゴマーは,有機EL等の有機半導体デバイスにおけるホール輸送材料として用いられており,この骨格を組み込んだ金属錯体にはホール伝導性が期待できる。また,この分子から誘導される金属錯体は3回対称性を有することが期待され,それに伴う結晶構造と物性,たとえばフラストレートしか磁気物性等も期待される。本年度は,昨年度合成に成功したトリニトロフェニルアミンを中心に有するサリチルアルデヒドから誘導されるシッフ塩基を配位子に用い,種々の金属イオンとの錯体合成を試みた。しかし,この三回対称性を有する配位子と金属イオンの反応を種々の条件下で検討したが,錯体の単離には至っていない。このことは,トリフェニルアミン骨格に直接配位サイトが連結しているため,錯形成時に必要な金属イオン周りのフレキシビリティーが確保できなかったためであると考えられる。そこで,トリフェニルアミン骨格とシッフ塩基配位サイト間にアルキル基によるスペーサーを導入し,フレキシビリティーを確保した配位子設計を行っている。
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Research Products
(1 results)