2006 Fiscal Year Annual Research Report
中空球殻磁性体の2次元自己集積化と電気および磁気特性
Project/Area Number |
06F06354
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
阿波賀 邦夫 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YE Quan-Lin 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 中空球 / 酸化鉄 / 磁気特性 |
Research Abstract |
中空球殻構造という不安定な形状に起因する物性探索を目的とした研究を本課題では行なった。まず、ポリスチレン・ビーズをテンプレートとして、中空球殻磁性体の合成を行なった。具体的には、均一沈殿法を用いて無機物水酸化物を均一にコーティングし、空気中あるいは水素気流下でか焼することによって、この構造の酸化物や金属を合成した。本年度は、酸化鉄および酸化コバルトからなる直径約600nm程度の中空球の大量合成に成功し、それらの物性測定を行なった。酸化鉄中空球の系では、マグネタイトとヘマタイトの作り分けに成功し、マグネタイト中空球の磁化曲線を測定することにより、保磁力の大きな温度依存性を見出した。このような大きな温度依存性は、中空球においてのみ観測され、様々な磁気測定を行なった結果、中空球が有する特異なドメイン構造に基づくことを明らかにした。また、酸化鉄中空球の表面修飾にも成功しており、これらを規則正しく基板に並べる段階にまで達した。続いて、酸化コバルト中空球に観測された低温での大きな残留磁化について詳細な検討を行なった。その結果、中空球に由来する特異な緩和機構が関与していることを明らかにした。現在、これらの情報を基に、他の酸化物や金属からなる中空球を作成しており、さらなる新規な物性を探索している。その他、表面修飾した中空球殻の二次元周期構造の作製も引き続き行う予定であり、機能性電極などの開発を考えている。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Phase Selective Preparations and Surface Modifications of Spherical Hollow Nanomagnets2006
Author(s)
M.Ohnishi, Y.Kozuka, Q.L.Ye, H.Yoshikawa, K.Awaga, R.Matsuno, M.Kobayashi, A.Takahara, T.Yokoyama, S.Bandow, S.Iijima
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Journal Title
Journal of Materials Chemistry 16巻
Pages: 3215-3220
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