2006 Fiscal Year Annual Research Report
核酸塩基対を利用した機能性有機合金および有機ゲルの分子設計
Project/Area Number |
06F06356
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐田 和己 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DARSHAK R TRIVEDI 九州大学, 大学院工学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 結晶工学 / 分子認識 / X線構造解析 / 有機ゲル化剤 / 核酸 / 電荷移動錯体 / 比色分析 / ドナー分子 |
Research Abstract |
核酸塩基対は塩基対を形成し、DNA中でスタックすることにより、導電体として機能することが近年注目を集めている。特にCGペアーがGサイトを利用して電子のホッピングを利用して一方向への電子移動を可能にしている。しかしながら、これまでこれらの核酸塩基対を用いての電子移動については水溶液中における2重らせん構造をもつDNA中のみであり、それ以外の媒質中(結晶相やゲル相)などでの挙動はこれまでほとんど興味を持たれていない。というのはこれらの媒質中で核酸塩基がそれぞれ塩基対を形成できるかどうかなど不明確な点が数多いためである。 そこで本申請研究では核酸塩基の誘導体を多数合成し、これらを混合し、混晶を形成させる。また、それらが結晶中でどのような構造体を形成するかをX線構造解析によって検討する。さらに、核酸塩基対を中心にもつ一次元繊維状会合体を形成する有機ゲル化剤を分子設計する。これらの結晶または有機ゲルにおける伝導度測定を行い核酸塩基対のもつ電子移動反応を明らかにするため、研究を行っている。 昨年11月に共同研究者が来日し、その後、核酸誘導体の合成に着手したが、現在までに合成が完了しておらず、一部の誘導体の中間体合成が完了したところである。 また、核酸塩基対と同じ大きさをもつドナー分子を用いて、固体中での電荷移動錯体形成による新しい分子会合体の合成については、市販品を混合することで様々な電荷移動錯体が形成できることを明らかにし、比色分析としての有用性を示すことができた。
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Research Products
(5 results)