2008 Fiscal Year Annual Research Report
核酸塩基対を利用した機能性有機合金及び有機ゲルの分子設計
Project/Area Number |
06F06356
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐田 和己 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TRIVEDI DARSHAK R. 九州大学, 大学院・工学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 結晶工学 / 有機ゲル化剤 / 電荷移動錯体 / 固体混合 / ドナー分子 / アクセプター分子 / X線構造解析 |
Research Abstract |
核酸塩基対は塩基対を形成するだけでなく、塩基対間のπ-πスタックによる弱い電荷移動錯体が形成されやすいことに着目し、これらを利用することは新しい材料の開発につながるものと期待できる。そこで、本研究では核酸塩基の誘導体のみならず、核酸塩基対と同じ大きさをもつアクセプター分子を合成し、まず、低分子ゲルの形成について検討を行った。また、これらの分子を利用して、混晶や電荷移動錯体の形成について検討を行った。 様々な有機溶媒中で加熱・冷却することによりのゲル形成能を検討したが、分子が一次元的に配列した低分子ゲルを形成することができなかった。多くの場合。沈殿が生じるか、溶解するするかのどちらかであり、溶液をゲル化することはできなかった。また溶液中での混合による電荷移動錯体形成では一部のペアーでのみ電荷移動錯体が形成された。しかしながら、固体と固体を混合する方法では、多くのペアーで混晶および電荷移動錯体が形成されることが明らかになった。また、それらが結晶中でどのような構造体を形成するかをX線構造解析によって検討し、電荷移動錯体形成と電荷移動吸収帯との関係を明らかにすることができた。多くの電荷移動錯体が大変きれいな色をしていることに着目し、それらの色の変化を利用して、芳香族分子をターゲットにした比色分析としての有用性を検討したところ、様々な芳香族分子を目でみわけるシステムの開発に成功した。この成果は有害物質を簡便に「その場」で調査することができるシステムの構築につながり、社会的にも重要と思われる。
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Research Products
(2 results)