2008 Fiscal Year Annual Research Report
磁性ナノ粒子を架橋点とする磁気応答性ゲルマテリアルの開発
Project/Area Number |
06F06357
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
伊原 博隆 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CZAUN MIKLOS 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 磁性ナノ粒子 / 磁気応答性ゲル / 原子移動型ラジカル重合 / Graft-to法 / ポリマーグラフト化磁性粒子 |
Research Abstract |
これまで,温度やpHによる刺激応答性ゲルは多数報告されているが,磁気応答性ゲルに関する報告は少ない。さらに,これまでに作製された磁性ゲルは,ポリマーマトリクスと磁性ナノ粒子との間で化学結合を形成していない。そのため,磁性ナノ粒子とポリマー鎖が化学的に結合し,さらに磁性ナノ粒子が架橋点としての役割を持つ新しい磁性ゲルを生成することは非常に興味深いことである。 上述の目的のために,実験プロセスを3テップに分けて研究を行った。 1.既報に従い,磁性ナノ粒子を調製した。透過型電子顕微鏡観察の結果,平均直径50nmの粒子が得られていることが確認された。 2.不飽和エステルであるウンデシル-2-ブロモ-2-メチルプロピオン酸塩のヒドロシリル化によって2ステップのプロセスで(11-(2-ブロモ-2-メチル)プロピオニルオキシ)ウンデシルトリクロロシランを合成し,磁性ナノ粒子表面へのグラフト化を行った。その結果,平均表面被覆率が0.34 initiator/nm^2となった。 3.開始剤をグラフト化した磁性ナノ粒子を用いて,スチレンの原子移動型ラジカル重合を行った。高濃度の磁性ナノ粒子での重合において,磁気応答性ゲルが得られた。得られた磁気応答性ゲルは,従来の架橋剤を含んでおらず,代わりにMNPが架橋点として作用している。 さらに,片末端反応型開始剤および両末端反応型開始剤を用いた界面重合法を利用した機能性モノマー(L-グルタミン酸,L-フェニルアラニンなど)の界面重合と,それを用いた精密分子認識能を持つ固定相の開発を行った。
|