2008 Fiscal Year Annual Research Report
酵素模倣触媒を用いたプロスタグランジンの1段階合成
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06F06360
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
成田 吉徳 Kyushu University, 先導物質化学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
REDDY Jakkidi Janardhan 九州大学, 先導物質化学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | プロスタグランジン合成酵素 / 化学モデル / 鉄ポルフィリン / フェノキシルラジカル / 1,4-ジエン / 触媒的酸化 |
Research Abstract |
1.新規光学活性ビナフタレン二架橋モデルの合成と過酸との反応:メソ位フェニル基上にt-ブチルフェニル基を持つ光学活性ビナフタレン二架橋鉄ポルフィリン錯体をモデルとして合成したが、電子供与性t-Bu基置換のために、メソ位の酸化分解が激しいことからメソ位のフェニル基上の置換基の電子的性質が鉄ポルフィリン高原子価体の特性を大きく支配することが判明した。そこで、新たにmeso-Ph基上にフッ素あるいはフェニル基置換体を合成した。フッ素置換体は電子吸引性効果が大きく、過酸との反応が極めて乏しかったが、フェニル基置換体は適切な反応性を示した。そこで、生成する2種類のポルフィリン異性体(anti-およびsyn体)に対して-50℃で過酸との反応を行ったところ、syn体は明瞭なナフトイロキシラジカルに特有の紫外可視吸収を与えた。一方、anti体は過酸添加により急速に分解した。 2.新規モデル化合物マンガン錯体の過酸酸化:鉄錯体に代えてマンガン錯体とし、同様に低温下で過酸酸化を行ったところ、syn-およびanti体いずれも過酸酸化条件下で安定な高原子価マンガンポルフィリン[Mn(IV)=0]とナフトキシルラジカル生成が認められた。 3.All-cis型の1,4-ジエン、1,4,7-トリエンの触媒的酸素酸化反応:マンガンモデル錯体を用いて低温、酸素雰囲気下において表記ポリエン類の水素引き抜きと酸素酸化を行った。1,4-ジエンに対しては、以前報告した双環ポルフィリン(FeTCP)に比較してはるかに高cis,trans/trans,trans選択性を示した。また、FeTCPでは反応しなかった、1,4,7-トリエンも良好な触媒回転数で末端位の酸素酸化が1,4-ジエン同様高い立体選択性で実現できた。
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