2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06369
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池上 高志 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AUCOUTURIER Jean Julien 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 音知覚 / BOFアルゴリズム / 脳イメージング / サウンドスケープ / ロボット / ダンス |
Research Abstract |
これまでの実験で、簡単なパターン認識の技術「フレームの集まり(BOF algorithm)」というプログラムは、人の音に関する類似性を判定するパターン認識能力をシミュレートすることができるが、その際分かったこととして、環境の音に関してほとんど認識できるのに、音楽に関しては極端に能力が落ちることを明らかにした。そこでわれわれはこのことを人を使った実験で実際に検証してみた。BOFアルゴリズムは、通常は時間という要素をぜんぜん取り込まないので、音の時系列をスライスしてランダムに並べ替えた場合にどう聴こえるかは、を人とBOFアルゴリズムとの問で比べるのは興味深い。われわれは、スライスしないのと通常の時系、列について、音の類似性の判定と分類について、音楽と環境の音の両方で行った。その結果、スライスしてランダマイズする効果は、類似度判定の能力を著しく低下させ、その程度が音楽の方が環境の音に比べてはなはだしいことを示した。つまりこのことから、人間は環境の音を無時間のランダムにされた状況でも可能であること。さらにいい類似度の判定能力はどういう音源からその音が出来上がっているか、を同定する能力を要求する訳ではないことも示している。すなわち、環境の音の知覚は、弦楽器の知覚と比較してみると、どう音を作るかは認識するが、音の意味はあまり認識してないことがわかる。逆に意味論的な解析は、ランダムにスライスするとはどういうことかをきちんと見せてくれるが、BOFのアルゴリズムは人の音知覚においてのその点を重大にも見逃していている。現在、脳のイメージングの技法を用いて、音知覚における脳のプロセスを特徴つけようとしている。他にも、ロボットを使って、音の知覚と運動パターンの関係つけという研究を池上准教授と行い、論文として発表した。
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