2006 Fiscal Year Annual Research Report
有機無機ハイブリッドナノ構造・機能を用いたDDS・生体イメージング材料の創生
Project/Area Number |
06F06371
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阿尻 雅文 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PANDA A.B. 東北大学, 多元物質科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | ナノ粒子 / 蛍光イメージング / 磁性体 |
Research Abstract |
今年度は、ドラッグデリバリーシステム(DDS)、生体イメージングおよびマイクロ診断システムへの応用をめざした有機・無機ハイブリッドナノ粒子の合成に取り組んだ。超臨界水を反応場とすることで、金属や金属酸化物のナノ粒子を合成し、さらにその表面に有機分子、生体分子を結合させる技術を超臨界有機溶媒へ応用し、至適溶媒に分散するナノ粒子の合成に成功した。しかも、生成されたナノ粒子は結晶学的に単相であり、粒径はきわめてそろっている。超臨界ナノ粒子合成では高温溶液場の反応ばかりではなく、反応前の複合溶液場の調整がその成否の鍵を握っていることを明らかにした。酸化物ナノ粒子の場合は、複数の溶媒を混合することによりその電子状態(価数や磁性)を制御できることも明らかにした。 一方、超音波照射によって溶媒中に生じる局所的な高温・高圧場を用いて複合ナノ粒子の合成も行った。この方法により、酸化物、硫化物、窒化物、金属および磁性体(主に金属と酸化物)のシングルナノサイズの粒子の合成に成功した。しかも、単分散で均一な結晶相が確認されている。この方法は、物質系によらず単分散で溶液中に分散するナノ粒子を合成できるまったく新しい合成法であり、超臨界溶媒法と融合することによりバイオ分子を含めた高分子の自己組織化構造やポリマー中にナノ粒子を構造化するといったハイブリッド化の制御技術につながると考えられる。このような複合ナノ粒子はドラッグデリバリーシステム(DDS)および生体イメージングプローブの部材となり、これまでにないDDS・生体イメージング創製技術につながる。なお、来日半年しか経過していないが上記の結果をまとめており投稿間近であることを申し添えたい。
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