2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06377
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高木 敏行 東北大学, 流体科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
STUPAKOV Oleksandr Volodymyrovych 東北大学, 流体科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 磁気誘導法 / マイナーヒステリシスループ / バルクハウンゼンノイズ / 微分透磁率 / 磁化過程 |
Research Abstract |
自動車部品として使用される鋳鉄部品の薄肉化は自動車の燃費向上に寄与するが、機械的特性を著しく低下させるチル化即ちセメンタイトの晶出を招く。このチルを低減させる無チル化技術は開発されているものの完全とはいえず、その実用化のためにはチル化組織の非破壊評価法の確立が必須である。現在、高効率火力発電設備の構造材料として、改良高クロム鋼が用いられている。高クロム鋼溶接部では、Type-IV損傷と呼ばれるクリープ疲労損傷に関する対策が急務とされており、損傷の非破壊手法が求められている。本研究では、上記の鋳鉄材料の材質評価と高クロム鋼材料の新しい損傷評価手法として、磁気的手法に基づく手法を提案し、その装置開発と評価のためのモデル化を行う。 平成18年度は、実験システムの構築を行い、その基本性能を確認した。本研究においては、U字型磁気ヨークを用いた磁気誘導法を用い、バルクハウゼンノイズおよびマイナーヒステリシスループを解析することにより、測定材料の磁気特性について予備的検討を行った。U字型磁気ヨークを用いた磁気特性評価は、磁気ヨークと試験片との間の接触の仕方により、場合によっては大きな誤差が生ずる。この問題を解決するために、U字型磁気ヨークの形状は、3次元有限要素解析によりヨークにおける漏れ磁場等を評価し、決定した。また、バルクハウゼンノイズの計測に用いる磁気レコーダーの最適化も併せて行った。さらに、既知の磁気特性を有する幾つかの試験片を用いて、構築した実験システムの評価を行った。具体的には、マイナーヒステリシスループおよび微分透磁率を評価し、対象試験片の磁化過程を議論した。
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