2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06382
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
神野 雅文 Ehime University, 理工学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GUIVAN M.M 愛媛大学, 理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ヨウ化キセノン / エキシマランプ / 殺菌 / ヨウ素発光 |
Research Abstract |
平成20年度は、ヨウ化キセノンランプの駆動波形の最適化と、放電過程およびXeI^*エキシマの生成過程の実験的解析、および殺菌応用に向けた検証を行った。まず立ち上がりおよび立ち下がり時間の短い(50-150ns)高電圧パルスを出力する回路を作成し、ランプを駆動することで、5-15%の発光効率を達成することができた。次にICCDカメラを用いて放電進展過程を観測することで、本ランプの駆動方式であるバリア放電の典型的な放電形態であるフィラメント状の放電について、可視光像は直径サブミリメートルのフィラメント形状であるが、紫外光はフィラメントを中心に1cm以上の範囲に広がって発光していること、かつ可視光や近赤外光と異なり、電圧パルス立ち下がり後の減衰が遅い(〜1μs)ことが分かった。この事実は、寿命の長いキセノン準安定原子が紫外発光に寄与していることを示唆する。近赤外レーザを用いた吸収分光により、キセノン準安定原子密度を直接測定したところ、その時間変化がXeI^*の発光波形と一致した。XeI^*エキシマが紫外線を放射し、基底状態に遷移する時定数は十分短い(15ns)ので、キセノン準安定原子がXeI^*エキシマを生成していることが分かり、キセノン準安定原子がヨウ素原子と衝突し、Harpoon reactionによりXeI^*エキシマを生成する過程が支配的であると思われる。最後に枯草菌に本ランプの紫外線を照射することにより、市販の低圧水銀ランプと比較して、同じ殺菌効果を得るための紫外線照射エネルギーが1/2から2/3で済むという結果が得られた。これは、XeI^*の253nmの紫外線に加えて、I原子の200nm付近の紫外線が同時に照射されることが効いているためだと思われる。
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