2006 Fiscal Year Annual Research Report
科学的手法による遷移金属-希土類合金ナノマグネットの開発
Project/Area Number |
06F06383
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 研 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YANG Haitao 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 磁性ナノ粒子 / ナノマグネット / 遷移金属 / 希土類 / 化学合成 / 還元法 / 高周波デバイス応用 |
Research Abstract |
小型通信機器などの高周波デバイスの低消費電力化・ブロードバンド化を磁性体を用いて実現するには、GHz帯域における透磁率が10〜100程度必要とされ、10nm以下の均一粒径ナノマグネットを高充填率で誘電体中に均一分散させることが不可欠となる。これら技術的要件を満たす磁性材料として3d遷移金属およびその希土類系合金材料は高飽和磁化および高磁気異方性を有することから非常に魅力的な材料として期待される。本申請研究では、Feを中心とした3d遷移金属およびその希土類系合金ナノマグネットの合成技術の確立を最終目的とし、本年度は、1.Tb原材料からのTb原子還元手法の確立および2.作製したTb酸化物ナノ粒子の構造・物性評価技術の構築を目的とした。 Tb原子の還元に関しては、塩化TbおよびTbアセチルアセトネートの還元析出型の原材料に着目し、Li元素を含み強還元力を有するスーパーハイドライドを用いた還元法を用いて反応温度を290℃〜330℃まで系統的に変化させてTb原子の還元を行った。その結果、高反応温度では反応溶液はゲル状となりナノマグネットを得ることができなかったものの、低反応温度領域(290℃〜310℃)では、粒径が1.5nm〜4nm程度のナノマグネットを得ることに成功した。また、X線回折およびエネルギー分散型X線分光解析の結果から、Tb酸化物に起因すると考えられる回折ピークやTb元素に起因する信号が観測された。以上の結果から、スーパーハイドライド法を用いて反応温度を制御することによって原材料からTb原子を還元することに成功し、Tb酸化物ナノマグネットの合成に成功した。一方、Tb重量の定量評価を行うためのTb重量校正用薄膜を超高真空スパッタ法を用いて作製した。これにより、11μg〜55μgまでのナノマグネット重量を元素選択性に優れた蛍光X線分析を用いて定量評価することが可能となる。
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Research Products
(2 results)