2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06388
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菊池 和朗 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHOW Kin Kee 東京大学, 先端科学技術研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 光信号処理 / 光スイッチ / 非線形光学 / 光ファイバ |
Research Abstract |
本研究は,光ファイバをベースにした超高速全光信号処理デバイスの開発を行なうことを目的とする。全光学的波長変換,全光学的閾値弁別,全光学的時間多重分離などを可能にする全光学的信号処理デバイスを開発し,160Gbit/s光伝送システムテストベッド上での評価を行う。これらの高非線形光ファイバを用いた光信号処理回路の開発により,100Gbit/sを超える超高速光情報ネットワークを支える基盤技術の確立を目指す。 今年度は,民間研究機関との共同研究を実施し,酸化ビスマスガラスなどの新規ガラス材料にフォトニック結晶ファイバ(PCF)構造を導入することにより,非線形性を増強し分散を制御した高非線形ファイバの試作に成功した。酸化ビスマスガラスの材料分散は,PCFの構造分散によりキャンセルされ,波長1550nm帯での分散が低減された。シリカファイバへの融着が可能であるため,素子の安定性は高い。また短尺であるので,外乱による偏波不安定性も除去することができた。 次に,この高非線形ファイバを用いて,四光波混合に基づく波長変換器を試作した。ファイバ長は1mで分散が低減されているため,位相不整合による帯域制限が緩和され,帯域1530-1560nmでの広帯域波長変換が実現された。変換効率は現状では十分とは言えない。しかし,伝搬損失,融着損失の低減により,ファイバ長を2-3mにできれば,変換効率は今後大幅に改善されることが期待できる。
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