Research Abstract |
近年,地震後に構造物に要求される耐震性能(または復旧性能)に基づいて耐震設計を行うことが一般的になってきている.このようなことから,構造物の地震応答を精度良く求めるためには,地盤,杭を含めた構造物全体系の地震応答性状を求める必要性が叫ばれている.しかし,現状では,ある程度の計算はできるものの,計算結果を実際の挙動と比較検討したものは極めて少ない.本研究は,これまでの研究成果に基づいて,1)ハイブリッド実験による全体系地震応答実験手法の開発,2)より精度の高い全体系地震応答解析手法の開発を行うものである.本研究の研究成果の概要は以下のようである. 1)鉄筋コンクリート橋を対象にした,地盤-杭を含む構造全体系について,基盤に地震波を入力することによるハイブリッド実験手法の開発を行った.すなわち,実験部材を地盤上の構造物で,ここでは鉄筋コンクリート橋脚の模型供試体である.地盤,杭については,これまで研究代表者が開発してきた,2次元有限要素法を用いてモデル化して計算を行うものである.地震波は基盤入力とし,実験供試体の橋脚から得られた復元力を用いて,時刻毎に逐一,地盤,杭,基礎,橋脚の全体系応答性状を求めるものである. 2)上記実験手法を適用するために,ハイブリッド実験を行った.その結果,実験から求まる応答性状が不安定になる場合があることが明らかとなった.この原因として,計算手法に有限要素法を用いたことが考えられる.これについては,来年度改良していく計画である.
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