2006 Fiscal Year Annual Research Report
複断面蛇行水路における洪水流の構造と土砂輸送メカニズムに関する基礎的研究
Project/Area Number |
06F06395
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
河原 能久 広島大学, 大学院工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ISLAM G.M.TAREKUL 広島大学, 大学院工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 複断面河道 / 洪水流 / 二次流 / 運動量交換 / 相対水深 |
Research Abstract |
複断面蛇行河道における流れや土砂輸送は、河道の洪水の流下能力や河床洗掘の位置や深さに大きな影響を与え,洪水の氾濫に直接的に関係している。しかし,現象の複雑さや影響因子の多さ、さらには流れや土砂輸送に対する数学的モデルの適用性等の問題により,解明すべき点が数多く残されている。本研究は,実河川での現象を単純化した複断面蛇行水路の定常流、非定常流実験で得られている計測結果を対象として、3次元数値解析によって流れの構造や土砂輸送のメカニズムを明らかにすることを目的とする。 平成18年度では,研究者や研究分担者のグループが行ってきた詳細かつ膨大な計測データの再整理とテータベースの構築を進めた.また,2次元数値解析手法を開発し,計測データの信頼性を確認するとともに,2次元数値解析手法により説明される流れの特徴を整理した.主な知見は以下のようである. 1,同一の水深に対する流量は洪水の増水期と減水期で異なるが,その差違は相対水深が0.3付近で最も大きくなる.ただし,水深平均した流速に着目すると,その差違が最大になる水深は低水路内の位置によって異なるこれは低水路と高水敷間の運動量交換の影響が低水路内の位置によって異なるためである. 2,高水敷高さを境界面とした低水路内の上層と下層での鉛直方向の運動量輸送量は,低水路と高水敷間の水平方向の運動量輸送に比べて,小さい.非定常複断面蛇行流れにおける増水期と減水期の流れ構造の違いに及ぼす鉛直方向の運動量輸送量の影響は小さいと考えられる. 3,2次元不定流解析は,複断面河道における流量や水深平均流速に見られる増水期と減水期の差違,河道貯留の発生機構をほぼ説明することができる.
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Research Products
(4 results)