2007 Fiscal Year Annual Research Report
実験施設統合型ハイブリッド実験手法の開発と大型構造物の地震応答再現
Project/Area Number |
06F06398
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中島 正愛 Kyoto University, 防災研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG Tao 京都大学, 防災研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | ハイブリッド構造実験 / 分散処理 / 汎用有限要素法解析 / サブストラクチャ法 / 準ニュートン法 |
Research Abstract |
ハイブリッド構造実験は日本発の耐震工学手法・技術であり,今後ともこの分野において日本は世界の最先端を走り続けることが期待される.本実験におけるサブストラクチャ法との結合における新展開として,(1)汎用有限要素解析コード等の既存数値解析技術を最大限に利用する,(2)構造実験部を複数用意しまたそれぞれの実験を別の研究機関が請け負うという方法を用いることによってより大型の実験を可能にする,を特長とする新しいハイブリッド構造実験法を開発するとともに,その有効性を実際のサブストラクチャハイブリッド構造実験から明らかにする.上記の目的を達成するために,次の4段階からなる実験計画を立案する.(1)インターネット間の高速データ交換法の開発;(2)準ニュートン法の二重適用手順の精度評価と精度向上アルゴリズムの開発;(3)共有データベースシステムの整備;(4)基礎構造物系を対象としたハイブリッド構造実験の実施. 本年度は,(2)を継続するとともに,(3)に傾注し,さらに(4)に着手した.(2)については,昨年度考案した仮想剛性の設定に直近の割線剛性を用いることによって解析精度の向上を図る手順の妥当性を数理的に証明するとともに,不安定剛性をもつ領域に対する適用性とその限界を同定した.(3)については,汎用有限要素解析コードの代表である,ABAQUSとOpenSeesをハイブリッド構造実験に組み込むことを想定し,標準I/Oだけを利用して「内部秘匿性」との衝突を回避する演算手順を新たに開発した.(1)〜(3)の知見を踏まえ,独立した二つの実験環境と二つの汎用有限要素解析コードを,コーディネータと称するプログラムが統括する実験システムを構築し,最終年度に予定する(4)の実験への環境を整備した.
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