2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06402
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
蔡 安邦 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BISWAS Krishanu 東北大学, 多元物質科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 金属物性 / 触媒・化学プロセス / 構造機能材料 / ナノ材料 |
Research Abstract |
本研究は組成が制御可能な合金ナノ粒子の作製法の確立および触媒材料へ転用の可能性を検討することを目的とした。組成を制御するために、金属元素同士が全率固溶体であるNi-Coを含むAl-Ni-Co準結晶を用いた。Al-Ni-Co準結晶を前駆体として、リーチを施すことにより、表面にNi-Coの合金のナノ粒子を作製し、その触媒特性を評価した。本研究で得られたナノ合金粒子の平均粒径は約10〜30nmになっている。ナノ粒子の合金化による触媒特性に与える影響を調べるとともに、同合金のバルク試料を作製し、光電子分光等で合金の電子構造を調査した。 水溶液を用いたAl-Ni-Co合金のAl選択溶出により、Ni-Co合金ナノ粒子を形成することが確認された。単元素の金属ナノ粒子が様々な手法で作製されているが、組成を制御した合金ナノ粒子の有効な調製法は今までになかった。また、組成の異なった合金ナノ粒子に対して、メタンの水蒸気改質反応触媒反応を行ったところ、ほぼ同じ表面積を有するにも関わらずNi/Co比が1であるものが、最も高い触媒活性を示している。この結果は、合金化で触媒活性を向上させることを証明することとなり、合金設計により触媒機能を制御することが可能であることを示唆している。金属学と触媒化学を融合した新しい研究領域を開拓した一例であり、今後の展開が期待される。これに関連した結果を論文として国際学術雑誌(Scripta Mater.)に投稿中である。
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