2007 Fiscal Year Annual Research Report
強誘電体および絶縁体薄膜界面の高信頼化のための物理化学的モデル構築
Project/Area Number |
06F06403
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
篠崎 和夫 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BOZGEYIK Mehmet Sait 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | Sr_<0.8>Bi_<2.2>Ta_2O_9 / BaZrO_3 / 強誘電体メモリ / MFIS構造 / MFM構造 |
Research Abstract |
1T型強誘電体メモリのMFM構造あるいはMFIS構造実現のための強誘電体材料は、これまで実用化している1T1C型強誘電体メモリに用いられる強誘電体とは異なる特性が求められる。すなわち、強誘電体の低残留分極値Pr化(1型のFETのゲートの開閉には小さなPrの値が必要)、低誘電率ε化(ゲート絶縁膜に電界が集中することを防ぐため)、ゲート絶縁膜の高誘電率ε化(1T型の欠点である減分極効果を低減するため)、および、結晶化温度の低温化(特に強誘電体材料の低温結晶化)等が必要である。本研究では、上記の要請を考慮して、SBT(SrBi_2Ta_2O_9)をベースとなる強誘電体として、添加物を検討している。昨年度は上記の要請に対してBZO(BiZrO_3)が有効であることを見いだした。平成19年度はBZOに対して、SBTに対する最適なBZO添加量の検討、得られた最適組成に対するゾルゲル法による製膜プロセスの検討を行い、微構造の最適化を、P-E特性、I-V特性、C-V特性の観点から行った。さらに、HfO_2絶縁層を形成したSi基板上に、BZO薄膜を成膜し、その微構造、結晶構造の最適化を行った。その結果、SBTに対して7mol%までBZOを添加し、残留分極値Prは純粋なSBTの16mC/cm^2から、5.8mC/cm^2(5mol%BZO)および2.3mC/cm^2(7mol%)、に低減した。同様に、BZO添加により、誘電率eはSBTの190から、150(5mol%)および130(7mol%)に低減した。一方、抗電界はBZOを添加することで低下するものの、5および7mol%BZOでほとんど差がなかった。さらに、Sr_<0.8-x>Ba_xBi_2Ta_<2-y>Zr_yO_9でBaとZrの組成を独立に変えたところ(x=0.04,0.08,0.12、y=0.1,0.2,0.3)、XRDからは異相は検出されず、Prはおおきく変化しないものの、抗電界はx=0.12、y=0.3の時に増大し、誘電率は低下した。しかしながら、BZOの添加や、BaおよびZrの独立添加はリーク電流を、SBTの時の10^<-8>A/cm^2(250kV/cm)に対して、BZOを添加したとき、あるいはBaとZrを独立添加したときは10^<-7>A/cm^2(250kV/cm)と約1桁増大した。
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Research Products
(1 results)