2007 Fiscal Year Annual Research Report
シンクロトロンX線マイクロトモグラフィーによる損傷と破壊の三次元可視化
Project/Area Number |
06F06407
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
戸田 裕之 Toyohashi University of Technology, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG Hui 豊橋技術科学大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | シンクロトロン放射光 / CTスキャン / 歪み計測 / その場観察 / 疲労破壊 |
Research Abstract |
Spring-8でのアルミニウム合金中の疲労亀裂進展挙動の可視化実験を行い成功した。疲労亀裂が開閉口する様子や、不均一に進展する様子が3D画像として得られた。 このデータを解析するための亀裂先端開口変位計測のための3D画像処理アルゴリズムの検討を前年度に引き続いて行い、そのプログラミングと改良を行った。これを上記データに適用して解析し、亀裂面のコンタクト、亀裂進展駆動力などの破壊力学的情報を、3Dで、材料内部で、かつ局所的な情報としてマッピングすることに成功した。また、これとは別に、実際の亀裂やミクロ構造の3Dイメージからその表面情報を抽出して作成した3Dモデルを用い、イメージベースの数値力学解析を準備した。これは、次年度に実施予定である。これらの詳細な解析および数値計算解析の総合により、次年度には研究成果たる知見の獲得を行う。 以下に、亀裂先端開口変位計測のための3D画像処理による成果を概括する。疲労亀裂の開閉口中の局所的な亀裂閉口(上下の亀裂面のコンタクト)は、疲労亀裂の進展速度を大きく左右することが知られてる。しかし、これを3Dで可視化した例は研究代表者の過去のトライアル以外にはなく、今回は、これをより高精度、定量性、亀裂全面にわたる局所情報の形で実現できた。亀裂先端付近の亀裂面の開口量(亀裂先端開口変位)は、応力拡大係数やJ積分といった破壊力学量に相当する。本年度はこの3Dマッピングにより、亀裂の局所的かつ不均一な進展挙動の解釈がこれにより可能になった。この成果はすでに投稿論文としてまとめられており、国際会議の申し込みも済んでいる。目標とした国際会議(最低1回)、投稿論文(高IF誌最低1報、その他1報)も、すでに中間年度の段階で到達見込みとなっている。
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Research Products
(3 results)