2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ粒子を分散させた新型の磁性流体、ER流体、MR流体の製造と応用
Project/Area Number |
06F06412
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 豊久 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CAO Lingfei 東京大学, 大学院工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | MR流体 / ニッケル / サブミクロン / シリカ被覆 / ビンガム流体 / 金属ガリウム / 金属流体 / 過冷却 |
Research Abstract |
新型の磁気けん濁流体(MR流体)としてニッケル粒子を液体金属ガリウム中に分散させた流体の製造を試みた。金属ニッケル粒子はサブミクロンの球状のものを用いた。まず、水とエタノール混合液中にニッケル粒子を分散させ、これにテトラエトキシシラン(TEOS)とアンモニア水を添加し、ニッケルとTEOSの重量割合により、ニッケル表面を被覆するシリカの厚さを調整した。シリカ被覆されたNi粒子の透過型電子顕微鏡観察より、10-45nmのシリカの被覆が観察され、ニッケルとTEOS重量が1:1の場合に、ニッケル粒子表面に10nmのシリカ膜が被覆されていることが明らかとなった。試料のニッケル粒子の飽和磁化が0.6Tであるが、非磁性層のシリカ被覆により磁化は0.4T程度に低下した。シリカ被覆したニッケル粒子は金属ガリウムとなじみやすく、良好に分散でき、シリカ被覆したニッケル粒子を10%、金属ガリウムにけん濁させた。ガリウムの融点は303Kであるが、ニッケルをけん濁させたガリウムは過冷却により5分程度は液体状態を保持した。このけん濁液であるMR流体を310Kに保持して、平行平板型粘度計に入れ、上下からすなわちせん断方向と垂直に磁界をソレノイドコイルで印加して、粘度変化を調査した。磁界がない場合に比べて0.08Tの磁界中でせん断応力は約4倍に増加し、ビンガム流体の挙動を示した。金属ガリウムの熱伝導率は約40Wm^<-1>K^<-1>であり、撹拌から生じる熱を外部に放熱しやすく、新しいダンパ用MR流体としての応用が考えられる。
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