2008 Fiscal Year Annual Research Report
ガンジス-ブラマプトラ川流域の水・堆積物・炭素フラックスへの人為的影響の評価
Project/Area Number |
06F06413
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山口 靖 Nagoya University, 大学院・環境学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DEWAN Ashraf Mahmmood 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | バングラデッシュ / ガンジス川 / ブラマプトラ川 / リモートセンシング / 土地被覆 / 洪水 / 衛星データ / 地理情報システム |
Research Abstract |
ガンジス-ブラマプトラ-メグナ河川系による陸源堆積物の運搬量は、一つの河川系によるものとしては世界最大である。この河川系における水・堆積物・炭素フラックスの変動と人間活動の影響の解明を目指して解析を行った。この河川系を含む領域を対象として、1970年代以降についてはLANDSAT TM、TERRA ASTER、SPOT HRVなどの高分解能低観測頻度の衛星リモートセンシングにより、人間活動による土地被覆の経年変化や河川流路の変動などを解析した。衛星リモートセンシングデータが入手できる以前については、過去の地形図から河川流路や上地被覆などの変遷を調べた。また河川流量などの現地実測データを収集した。これらのデータを地理情報システム(GIS)により統合して総合的に解析を行った。その結果、土地被覆変化や上流でのダム建設等の人間活動が、下流域での流路変化および水・堆積物フラックス等に影響を与えていることや、ダッカ周辺での洪水被害をより深刻化していることが示された。一方、グローバルスケールでの気候変動が、この地域のローカルからリージョナルなスケールでの水・堆積物循環に対して与えている影響に関しては、流量の変化を通じて流路変化や堆積物運搬量に影響していることは確実であるが、定量的な関連性は十分に明らかでなかった。これは、この地域では人間活動に由来する変化のほうが、少なくとも最近数十年間は大きいためである。これらの成果について国際学会で発表を行い、またその成果の一部は国際学術雑誌に論文として公表した。
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Research Products
(7 results)