2007 Fiscal Year Annual Research Report
メカノケミカル法を利用したフライアッシュからのゼオライト合成
Project/Area Number |
06F06414
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
齋藤 文良 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WALEK T.T. 東北大学, 多元物質科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | メカノケミカル法 / 水熱法 / フライアッシュ / ゼオライト |
Research Abstract |
研究概要は、Walek博士の持つ水熱法と受け入れ教員(齋藤文良、東北大多元研教授・所長)の持つメカノケミカル法を組み合わせ、火力発電所から大量に排出される廃棄物(フライアッシュ)から有価物であるゼオライトを合成する新しいプロセス開発を強力に進めることにある。 平成19年度は、前年度の計画を具体化させた。すなわち、フライアッシュは東北電力(株)より提供いただき、その化学組成を蛍光X線で確認した。フライアッシュを水熱条件下でより効率良く溶解するため、ビーズミルを用いて粉砕(メカノケミカル処理)し、結晶性を無定型化した。水熱条件下で用いたアルカリはNaOHであり、その濃度は、0.5〜4Mの範囲とした。フライアッシュとアルカリ溶液との固液比は4〜200g/dm^3の範囲とした。水熱条件下の温度は、60〜104℃とし、保持時間を種々変化させた。その結果、固体濃度を低く、温度を高くするなどした場合、フライアッシュの溶解性は高くなり、ゼオライト結晶の生成率は高くなることが判明した。NaP1のゼオライトは有用であり、その結晶を得る最適条件を探索した結果、2MのNaOH溶液で、固液比が4g/dm^3とし、温度は比較的高い条件が結晶率80wt%という最も良い結果となった。 以上の結果は、従来になく、したがって、フライアッシュを前処理(粉砕処理=メカノケミカル処理)し、その後マイルドな水熱条件下でNaP1型ゼオライトが合成できる最適条件を見出した。この結果は英文誌に投稿中であり、掲載される方向で審査が進行中である。また、実験結果の一部と周辺の研究状況をまとめて解説資料とし、素材工学研究彙報に制裁された
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Research Products
(1 results)