2008 Fiscal Year Annual Research Report
分裂酵母の相同組換えにおけるFbh1ヘリケースの機能解析
Project/Area Number |
06F06416
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
岩崎 博史 Yokohama City University, 国際総合科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SIDDIQUE MD. Shahjahan Parvez 横浜市立大学, 国際総合科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | Fbh1ヘリカーゼ / 分裂酵母 / 組換え修復 / ユビキチン / タンパク質分解 / Rad51 / E3リガーゼ / E3リガーゼ |
Research Abstract |
本研究では、組換え(修復)における分裂酵母Fbh1の機能の解明を目的とした。Fbh1は出芽酵母には存在せず、ヒトなど高等生物に保存されたFボックスモチーフをもつユニークなヘリケースで、これまでの我々の遺伝学的解析から、Rad51(分裂酵母ではRhp51と呼ばれることもある)による鎖交換反応の前後2つのステップで機能することが示唆されている。さらに、Fボックスを持つことからユビキチン修飾系のE3としても機能し、Rhp51による鎖交換反応に関与するタンパク質をユビキチン化することが予想されている。Rqh1ヘリカーゼやSrs2ヘリカーゼとの二重変異株が致死になることから、これらのヘリカーゼとの機能的オーバーラッピングが予想されている。 Fbh1がどのように組換え修復に関与するのかを明らかにする目的で、英国のHumphreyのグループが開発した、DNA二重鎖切断(DSB)を任意に誘導してその修復スペクトラムを解析するDSBアッセイ法を用いて、fbh1欠損株の修復スペクトラムを解析した。 相同組換えの反応産物を大別すると、交差を伴う組換え体(単に交差型とも呼ばれる)と交差を伴わない組換え体(遺伝子変換型とも呼ばれる)にわかれる。上述のDSBアッセイの結果、Fbh1欠損株は野生型株に比べて有意に交差型組換えの割合が上昇していた。このことは、野生型の分裂酵母における組換え修復では、交差型組換え体の生成が抑制されていることが知られているが、この交差型組換え体生成の抑制にFbh1ヘリカーゼが関与する事を強く示唆した。
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