2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06419
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
西村 幹夫 基礎生物学研究所, 高次細胞機構研究部門, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SINGH Tanuja 基礎生物学研究所, 高次細胞機構研究部門, 外国人特別研究員
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Keywords | ペルオキシソーム / PEX / ペルオキシン / バイオイメージング / タンパク質輸送 |
Research Abstract |
ペルオキシソームは、植物細胞に普遍的に存在するオルガネラである。その生理機能は細胞の分化と同調して脂肪酸分解や光呼吸、ジャスモン酸合成、ウレイド代謝などさまざまに変化することが知られている。本研究は、このような植物ペルオキシソームの機能分化とその制御機構を、さまざまなペルオキシソーム機能変異株やポストゲノム解析を組み合わせることによって明らかにしようとするものである。本年度のペルオキシソーム代謝系に関わる遺伝子やペルオキシソームの機能を制御すると考えられているPEX遺伝子を対象とし、(1)PEX遺伝子産物間相互作用のin vivoイメージング技術の確立と、(2)PEX遺伝子産物の細胞内輸送経路の解析を行った。 (1)ペルオキシソームの機能分化を制御するPEX遺伝子と細胞の分化の関係を経時的に解析するために、生きた細胞におけるPEX遺伝子産物間相互作用の可視化を試みた。split YFP法およびsplit luciferase法の2種類の方法を用いたところ、PEX遺伝子産物同士の結合が起きる細胞内部位を特定するためにはsplit YFP法が優れていることが判明した。そこで、split YFP法を用いて、さまざまなPEX遺伝子産物の組み合わせで分子間相互作用の有無、細胞内部位、経時的変化などを蛍光顕微鏡下で検討中である。 (2)近年、Pex16pやPex3pなど一部のPEX遺伝子産物が小胞体を由来してペルオキシソームに輸送されているとの報告があり、ペルオキシソームの形成における小胞体の関与に注目が集まっている。そこで、分子内に糖鎖付加シグナルを持つPex16pおよびPex3pに人為的に糖鎖付加サイトを加えた融合タンパク質が生合成の過程で糖鎖修飾を受けているかどうかを調べることで、ペルオキシソームの形成に対する小胞体の役割を調べている。本年度は、GFP-Pex16pやPex3p融合タンパク質をコードするキメラ遺伝子の作成を作成し、GFP-Pex16pを発現する形質転換植物を確立した。Pex3p融合タンパク質を発現する形質転換体の確立をめざす。
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