2007 Fiscal Year Annual Research Report
長期観測による森林土壌炭素の年変動パターンの解明と気象変化のフィードバック検証
Project/Area Number |
06F06424
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
津田 智 Gifu University, 流域圏科学研究センター, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LEE M-S 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 冷温帯林 / 土壌圏 / フラックス / 生態プロセス |
Research Abstract |
高山1haサイトにおいて土壌炭素フラックスは、3期間に分かれて観測されたデータが蓄積されている。第1期は1994年-1996年、第2期は1999年-2002年、第3期は2003-2004年である。本研究は第4期とし、2005-2006年とする。およそ12年間の土壌炭素フラックスのデータより、2-3年では見られない年変動のパターンを明確にする。第2期の4年間のデータでは、年々平均気温の上昇が見られ、土壌炭素フラックスの増加の傾向が見られた。長期間の解析により、その現象を見極めるとともに、生態系全体にどのような影響を与えているのか模索する。なお、冷夏であった年、降雨量が多かった年などの気温変化や降雨量、降雨のパターン、東アジアの特徴である台風の影響など、気象変化との関係を解析する。これに基づいて将来の土壌炭素フラックスの変化をシミュレーションする。一方、土壌炭素量の変化を調べるために、1994年から2004年までのデータの収集と2004年から2006年の実測値を得る。予想される一つの結果として、気温の上昇が土壌に蓄積した炭素を大気に排出させる。また、このような炭素の放出は更なる温暖化を引き起こし、上昇された温度は土壌中の炭素をさらに大気中に放出させ、温暖化を加速させるポジティブフィードバックが起こることを実測のデータから証明することである。実際に高山で得られた気象データを用いて長期間の土壌呼吸フラックスを3つのモデルで予測した。予測で得られた結果では、土壌呼吸フラックスは温度と最も高い相関を見られたが年々変動には降水量がその変動を左右することが判った。
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Research Products
(1 results)