2006 Fiscal Year Annual Research Report
BT菌殺虫性タンパク質から新ジャンル「タンパク質殺虫剤」を創る
Project/Area Number |
06F06425
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
佐藤 令一 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HOSSAIN Mohammad Delwar 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 環境技術 / バイオテクノロジー / タンパク質 / 微生物 |
Research Abstract |
世界の人口が爆発的に増加し、食糧増産は必須となり、殺虫剤は益々不可欠なものになっている。しかし、過去の多くの化学殺虫剤が人間にとって有害であるばかりか、残留して地球生態系に負担をかけるものであったのは事実である。また、すっかり定着した言葉「環境ホルモン」と化学殺虫剤が切り難せない歴史を持つのも確かである。そこで、このような食糧と環境の問題を同時に解決するため、本研究では世界ではじめて微生物の殺虫タンパク質に進化分子工学の手法を導入し、従来のように微生物に依存せずに、このタンパク質からいろいろな害虫に向けて安全な殺虫剤を人類自らが創り出す方法をファージディスプレイ法を基盤にして構築する。 今期はシステイン置換した上に、さらに障害分子を導入する方法による殺虫タンパク質上の受容体結合部位の精密な検討を開始した。すなわち、殺虫タンパク質上のある1つのアミノ酸をシステインに置換した。あるいは更に、そのシステイン残基に分子量6600程度のアプロチニン分子を架橋した。次に、これらのいずれかの処理によって、殺虫タンパク質が受容体に結合することが阻害できるか否かの検討を開始した。すなわち、多数のシステイン置換体の作製を介して、殺虫タンパク質上にこれら2つの方法による受容体に対する阻害地図を描き、受容体結合部位に関する詳細な図を完成することを目的に現在この作業を繰り返して行っている。 また、現時点で最も受容体結合に重要であると考えられているCrylAa型殺虫タンパク質ドメイン2のループ部位上の合計8箇所に対して、連続した4アミノ酸をあり得る全てのでたらめな配列にしたファージディスプレイ法の変異体ライブラリーを作り、スクリーニングを開始した。
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