2007 Fiscal Year Annual Research Report
GST遺伝子をモデル系とした金属ストレスや酸化ストレスへの植物の応答機構の解析
Project/Area Number |
06F06429
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
江崎 文一 Okayama University, 資源生物科学研究所, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MD. ABDUL K. 岡山大学, 資源生物科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | AtGST11遺伝子 / 転写調節因子 / ゲルシフトアッセイ |
Research Abstract |
1)大腸菌内で大量生産させるためのプラスミドの構築:既にYulita博士らは大腸菌内で目的蛋白質を高発現させるベクターにAtGSTll遺伝子のAlストレス誘導性に関連する転写調節遺伝子の候補、3クローンを繋いでいた。しかし、これでは高発現はできなかった。そこで、まずこれらの塩基配列を確認する作業から着手した。その結果、どのクローンの場合もDNA配列に問題があることが判明した。そこで、新たに3クローンの連結のやり直し(プラスミドの再構築)を行った。これは再度、塩基配列を決定することで問題が無いことを確認した。これらのプラスミドは大腸菌に導入され、大量発現の系が完成した。 2)大量生産化と精製:これらの大腸菌形質転換体を用いて大量発現の条件検討を行った。アラビノース添加濃度と発現誘導時間(アラビノース添加後の培養時間)について検討した。目的蛋白質の検出は、菌体内の全タンパク質をポリアクリルアミド電気泳動した後、ウェスタンブロット法で行った(目的蛋白質は、3'末端にMyc-Hisのタグペプチドが付随しているので、この部分に対する抗体を用いた)。その結果、アラビノース0.02%濃度で37度にて5時間処理する場合が最も効果的であると結論した。ただし、この場合でもその発現量はかなり低かった。なお、各蛋白質の分子量はタグの部分を含め36.5、39.9、37.0kDaと予想している。次に菌体内からの蛋白質抽出法と精製法の検討を行った。抽出は超音波破砕法を、精製法はアフィニティーカラムの原理を応用したキットで検討した。しかし、元々の発現量が少量のため、最終精製量は極少量であった。 3)ゲルシフトアッセイ実験:精製した蛋白質を用いたゲルシフトアッセイを試みたが、やはり精製蛋白質の量は規定量より少なかったため、DNAバンドのシフトは観察されなかった。そこで、未精製の全蛋白質画分(超音波破砕画分)を用いて再度行った。その結果、構造遺伝子部分に最も近接した部位(プロモーターとしては最も下流部位に相当するF3)を用いた時に3つのクローンとも僅かながら結合性を観察することができた。このことからプロモーターの最下流部位が3者の結合部位であること、また3者にはDNA結合能があることが示唆された。
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Research Products
(4 results)