2006 Fiscal Year Annual Research Report
放線菌の生産するラバンドリル基を持つフェナジン化合物の生合成研究
Project/Area Number |
06F06430
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
葛山 智久 東京大学, 生物生産工学研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
趙 平 東京大学, 生物生産工学研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 放線菌 / 生理活性 / フェナジン / ラバンドリル基 / 生合性 |
Research Abstract |
本研究は、lavanducyaninの生合成径路を解明するとともに、その生合成遺伝子群のクローニングと精密機能解析を目的に行っている。平成18年度は、lavanducyanin生産菌、Streptomyces sp.CL190株からlavanducyaninの生合成中間体を精製することを試みた。 Lavanducyanin生産株を30℃で3日間培養後、菌体をアセトン抽出し、アセトンを除去後に酢酸エチル抽出を行った。酢酸エチル抽出液を濃縮し、菌体EtOAcエキスを得て、HPLCで分析した。Lavanducyanin(Rt.25min)はほとんど菌体に蓄積され、またlavanducyaninと同じUV吸収を持つRt.28minのピークやその吸収に似たような吸収でありながら低波長にシフトしたRt.14.2minのピークが検出されたので、lavanducyaninの類縁体であるのではないかと推測し、それらの分離精製を試みた。菌体EtOAcエキスをDiaion HP20カラムクロマトグラフィーを行い、Fr.1およびFr.2と分画した。Rt.14.2minの未知成分を含むFr.1-1およびFr.2-1について、さらにScphadex LH20カラムクロマトグラフィーを行い、2.4mgの未知成分を得た。得られた未知化合物について、一次元NMRと二次元NMR(HSQC, HMBC, COSY)スペクトルを測定し、その詳細な解析に基づいて、その構造は1-hydroxyphenazine(1-HP)であると決定した。この化合物は、Pseudomonas aeruginosa株において、フェナジン代謝産物の前駆体であるphenazine-1-carboxylic acid(PCA)の生合成遺伝子クラスターの下流にあるphzS遺伝子によるPCAの修飾産物であることが示されている。この情報に基づき、平成19年度はlavanducyaninの生合成遺伝子のクローニングを試みる予定である。
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