2006 Fiscal Year Annual Research Report
有明海におけるスズキの初期生態と加入量変動機構に関する研究
Project/Area Number |
06F06437
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山下 洋 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ISLAM Md.shahidul 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | スズキ / 仔稚魚 / 加入量変動 / 耳石 / 成長速度 / 有明海 / 若狭湾 |
Research Abstract |
平成18年度はスズキ仔魚を用いた飼育実験を行うために、若狭湾において天然のスズキ卵の採集を試みた。しかし、卵を500個体程度しか採集できなかったために、予備的な飼育試験を行うにとどまった。平成19年1月に、筑後川河口から熊本県荒尾市の沖合の海域において、大型仔稚魚ネットによるスズキ仔魚の採集調査を行った。平成18年度は冬季の水温が高めに推移したために、産卵期が例年より早かったことが推察された。また、平成19年1月から3月まで、由良川河口域から沖合にかけての若狭湾西部海域において、口径160cmのORIネット、口径2mの水工研II型ソリネットおよび砕波帯におけるサーフゾーンネットによりスズキ仔稚魚の採集調査を行った。浮遊期スズキ仔魚は、1月には水深100m前後のやや沖合を中心に採集されたが、2月には由良海から栗田湾にかけての内湾域周辺に多く出現した。また、変態・着底後の稚魚は2月から水深15m以浅の河口・沿岸域で採集され、3月には水深2m前後の由良川河口内や砕波帯においても採集された。現在、有明海及び若狭湾西部海域で採集された仔稚魚のソーティングと耳石の処理、胃内容物組成と摂餌状態の解析を行っている。さらに、耳石日周輪とその微細構造を詳細に観察して、成長速度と輪紋間隔の関係、発育段階と耳石輪紋の微細構造との関係の分析を進めている。また、仔稚魚採集と同時に行った採水標本に含まれる、小型動物プランクトンの種類及び個体数の計数を並行して進めている。
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Research Products
(2 results)