2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06438
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡部 終五 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YASMIN Lubna 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | トラフグ / メダカ / ミオシン重鎖 / cDNAクローニング / 筋発生 / ミオシン重鎖遺伝子 / PCR / 筋繊維 |
Research Abstract |
筋肉は動物の動きを司る基本的な器官でその生理および代謝は生命の根幹をなす。一方、産業的に重要な生物種においては筋肉は可食部のほとんどを占め、食品化学的見地からも重要な器官である。このように基礎および応用の両面で重要な筋肉であるが、発生や発達の機構は長年の多くの研究にもかかわらず、未知の部分が多く残されている。本研究は、従来からの生化学的手法に加えて近年、進展が著しい分子生物学的技法をも駆使し、系統進化学的には脊椎動物では最も下等であるが、多産性であること、体外受精で胚発生が容易に観察できることなどの利点が多い魚類を対象として、筋線維の増殖と筋管形成の機構を明らかにすることを目的とした。 1.モデルゲノムとしてゲノムデータベースの利用価値が高いトラフグから既に多くのミオシン重鎖(MYH)遺伝子(MYH)をクローン化している。そこで成体遅筋型MYH_<M2528>および胚型MYH_<M454,>につき、10kbpの5'上流域をトラフグ全ゲノムデータベースから抽出し、rVistaプログラムを利用してこの領域に存在する転写因子の結合配列を探索した。その結果、myoDファミリーなど、種々の転写因子の結合配列が同定された。 2.次に、Multi-LAGANプログラムを用いてMYH_<M2528>およびMYH_<M454,>の5'上流域を、メダカ成体速筋型mMYH1〜mMYH11の相同領域と比較した。しかしながら、トラフグ両MYHの5'上流域と、メダカのそれとは相同性が認められなかった。 3.ゲノムDNAを鋳型にトラフグ両MYHの5'上流域をPCRで増幅して、phrGFPベクターに挿入して組み換えDNAコンストラクトを作製した。 4.上述のように作製したコンストラクトをメダカ受精卵にマイクロインジェクションで導入し、現在、MYHの5'上流域の転写活性をin vivoで調べている。
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