2007 Fiscal Year Annual Research Report
石英斑岩セラミックスを用いた水処理システムの開発と農業への利用
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06F06442
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
石川 勝美 Kochi University, 農学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AZAD MD ABUL KALAM 高知大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 石英斑岩 / セラミックス / 水処理システム / 電気化学的反応 / 流動処理 |
Research Abstract |
原水の流動処理による物性への作用効果を精密に調べるため、先ず含有イオンの極めて少ないイオン交換水をサンプル水として用い、流動処理による水分子の構造に及ぼす効果を評価した。処理媒体にはイオン交換を行わないセラミックスを用い、処理前後の構造状態を熱刺激・脱分極電流-温渡測定法で評価、比較した。本処理法ではサンプル水に直流電場をかけて分極(双極子配向)させた状態で温度を下げ、分極を凍結させた後、等速で昇温させ、その過程で起こる脱分極時の緩和ピーク温度とその電流強度を測定することで構造状態を評価した。その結果、流動処理により処理前に比べ緩和ピーク温度は高温側にシフトした。これより、希薄水に対しては処理により水分子は拘束され、構造単位が大きくなり、分子運動性は低下することが判明した。無栽培条件で処理システムを作動させ、培養液中の主要構成イオンの分析をおこなった結果、石英斑岩のイオン交換の影響はみられなかった。また、栽培実験の結果、草丈、葉幅、新鮮重、SPADの項目で石英斑岩区が対照区に対し有意に大となった。セラミックス区はSPADが対照区に対して有意に大となった。収穫前1週間の培養液吸収量は石英斑岩区(7325g)>セラミックス区(6045g)>対照区(5241g)となり、処理により吸収量が増加した。培養液の粘度は石英斑岩区<セラミックス区<対照区となった。石英斑岩、セラミックスは共に表面に負荷電(変異荷電)を有しており、流動処理の処理媒体としての利用は培養液の分子構造を変化させ、植物の生育制御と高品質化に寄与するものと推察された。一方、処理媒体の材料や形状の違いは、流動処理の効果発現や植物の生育に影響すると考えられた。
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Research Products
(3 results)