2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06444
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小沼 操 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RAADAN Odbileg 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | トリパノソーマ原虫 / 薬剤耐性株 / 分子疫学調査 / samorin |
Research Abstract |
トリパノソーマ原虫(Trypanosoma evansi)は、アジアを中心に全世界の家畜・野生動物に感染し多大な被害を与えている。本症は、ワクチンによる制御が困難であるうえ、近年、原虫薬剤耐性株の出現によってその被害は深刻化しているが、どのような機序で薬剤耐性になるかは不明である。 薬剤耐性原虫を検出するため、薬剤存在・非存在下での原虫の定量が必要である。初年度の今年は原虫の定量法としてのresazurin microtiteri法を検討した。その結果、2×10^5/ml以上の原虫を用いれば2mMのresazurinの存在下、37℃で5〜48時間の培養で定量できることから、抗トリパノソーマ薬存在下で培養し検討することとした。 T.evansiの分子疫学調査として中国、ならびにフィリピンにおいて得られた材料を用いて検査した。中国東北部福建省龍岩市(Longyan city)にて牛15頭、水牛35頭、羊21頭および中国土着牛である黄牛5頭より採取した血液をDNA抽出後、PCR法による検出を試みた。その結果、牛15頭中4頭(26.7%)および水牛5頭中1頭(20%)からT.evansi遺伝子が検出された。次に、フィリピン共和国ルソン島8地区において牛105頭、水牛343頭、山羊89頭、羊38頭および馬6頭についてT.evansiの検出を行った。その結果、水牛12頭(3.5%)が陽性を示した。現在、薬剤耐性関連遺伝子の遺伝子多型の有無について検討している。 これら以外にフィリピンからSamorinによる治療を受けた水牛よりT.evansiを分離し薬剤耐性の有無を検討している。
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Research Products
(3 results)