2007 Fiscal Year Annual Research Report
マダニの生存基盤としての吸血・産卵に関わる生物活性分子の機能解明
Project/Area Number |
06F06447
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
藤崎 幸蔵 Kagoshima University, 農学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BODDBAATAR Damdinsuren 鹿児島大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 生理活性 / Babesia / マダニ / アミノ酸シグナル / TOR / 栄養刺激 / S6 キナーゼ / GATA |
Research Abstract |
研究の骨子は、研究代表者らによって完成された世界有数の約20,000クラスターからなるフタトゲチマダニの臓器別ESTデータベースを活用し、(1)マダニの生存に不可欠な吸血・消化の分子機構を解明し、(2)この研究で明らかになったマダニ生物活性分子(TBMs)が、マダニ体内におけるBabesia原虫の発育・増殖・伝搬に果たす役割を明らかにし、(3)最終的に、解明されたマダニ特有のTBMsの特性や機能をマダニの寄生・吸血と原虫媒介を制圧するための技術開発に発展させるとともに、抗腫瘍、免疫増強、殺菌などの広範な医・農・獣医学領域における新規創薬にTBMsを活用する方途を拓くための展開研究を実施することである。 平成19年度は、前年度までに得られているマダニ体内の一連の新陳代謝(タンパク代謝回転protein turnover)の分子制御基盤としての「中腸からヘモリンフを経て卵巣に至るアミノ酸シグナルamino acid signal」について、その「伝達制御機構(TOR signal transduction pathway)」を明らかにすることによって、「マダニの吸血・消化によって変動する栄養刺激nutritional stimuliとBabesia原虫媒介の関係」の解明を図るという、これまで世界に例のない総合的視点からの新領域研究に着手した。 その結果、TORキナーゼ(Hl TOR)、 S6キナーゼ(Hl S6K)、GATA転写因子(Hl GATA)などの、シグナル伝達を介してBD-TBMの機能と特性を根幹から左右しうる分子について、相当程度に特性解明を図ることができた。
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Research Products
(5 results)