2007 Fiscal Year Annual Research Report
漢方薬の肝毒性における代謝酵素チトクロームP450とトランスポーターの関与
Project/Area Number |
06F06456
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉山 雄一 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GONG Li-Kun 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 肝細胞 / 経細胞輸送 / 代謝酵素 / トランスポーター / サンドイッチ培養 / 胆汁排泄 |
Research Abstract |
薬物の肝胆系輸送は、薬物の肝毒性を決める要因のひとつとして非常に重要な役割を果たすことから、薬物の肝取り込み、排泄を同時に評価できるsandwich培養肝細胞のシステム構築にこれまで着手してきた、今年度は、この実験系を用いてラット肝細胞において、in vivoにおける胆汁排泄クリアランスの予測、ならびに胆汁排泄に関わるトランスポーターの寄与率を、各トランスポーターの選択的な阻害剤を用いて推定する方法論の確立を目指して研究を進めた。その結果、medium中基準の胆汁排泄クリアランスをもとに計算で予測したin vivoの肝固有クリアランスは、実測の値のほぼ1/10程度の値で良好な相関が認められた。このことは、取り込みトランスポーターの発現量の低下と合致すると推定され、今後実測の発現量の低下と一致するかについて検討をさらに進める。また、寄与率の推定においては、MDR1,MRP2,BCRPそれぞれの選択的な阻害剤として、verapamil,glycyrrhizin,Kol43を適切な濃度で用いることで利用しうることを見出し、それらを用いて、3種類のHMG-CoA還元酵素阻害薬をモデル化合物として用いた結果、個々の薬物に応じて、阻害剤による影響が異なることを見出し、その結果は、in vivoにおいて遺伝子欠損動物を用いて得られた結果とも合致することから、in vitro実験の結果から、胆汁排泄トランスポーターの寄与率を算出可能であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)