2006 Fiscal Year Annual Research Report
老年病および生活習慣病に影響するミトコンドリアからの活性酸素の放出機構
Project/Area Number |
06F06458
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
太田 成男 日本医科大学, 大学院医学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WOLF Alexander Martin 日本医科大学, 老人病研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | ミトコンドリア / 老年病 / 活性酸素 |
Research Abstract |
本研究の目的は、老年病および生活習慣病におけるミトコンドリアからの活性酸素の放出機構を明らかにすることである。そのために、初年度である今年度では、単一のミトコンドリアから発せられる活性酸素を測定する方法を二つ検討した。 一つ目は、微小ウェル(300μm×300μm×50μm)内でミトコンドリアが発生する活性酸素を過酸化水素として測定可能なシステムを構築することができた。しかしながら、測定に使う蛍光色素が反応液中に溶存している酸素と反応を起こし、その結果低いながらもバックグラウンドが認められた。そのためにミトコンドリア一個が発生する活性酸素を確実に測定するには精度が低いことがわかった。今後はさらに小さい微小ウェルでの反応を検討する予定である。 二つ目は、活性酸素を測定する方法として新しく開発されたミトコンドリア由来のスーパーオキシドを直接検出する蛍光色素(mito SOX Red)を用いた。その結果、培養細胞中の個々のミトコンドリアおよび培養細胞から単離した個々のミトコンドリアから発生したスーパーオキシドを検出することができた。スーパーオキシドとミトコンドリア膜電位と反応する二つの蛍光色素を用いてそれぞれの蛍光強度を精密に分割測定し、統計学的手法(Parallel Factor Analysis)でデータを解析している。この様に、細胞内のミトコンドリア全体ではなく、一つ一つのミトコンドリアに着目することでスーパーオキシド発生のミトコンドリア膜電位依存性について新しい知見が得られる。
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Research Products
(8 results)