2006 Fiscal Year Annual Research Report
ノックアウトマウスを用いたDHCR24の病態生理学的意義
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06F06463
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
妹尾 久雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MIRZA Rusella 名古屋大学, 環境医学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | DHCR24 / AQP3 / グリセロール・水移送体 / 上皮 / Transepidermal water loss / keratin 14 / 拘束性皮膚症 |
Research Abstract |
DHCR24-/-マウスの上皮におけるaquaporin-3(AQP3)の発現 DHCR24(3・-hydroxysterol-・24-reductase)は、コレステロール合成の最終段階デスモステロールからコレステロールへの転換酵素であり、この酵素活性以外にも抗酸化作用やアポトーシス抑制作用を有する多機能蛋白である。 我々は、DHCR24^<-/->マウスが生直後に拘束性皮膚症のために死亡すること、その一因として上皮の著しい分化・成熟障害によるtransepidermal water loss(TWL)の増加を報告した。本研究では、TWL増加の原因を検討するため、上皮で発現している唯一の水・グリセロール移送チャネルであるAQP3の発現を検討した。野生型(DHCR+/+)マウスでは、基底層の細胞のみがAQP3を発現し、未分化角化細胞(keratinocyte)に発現すると考えられた。事実、未分化型ケラチンであるkeratin 14は一層の基底層細胞にのみ発現が認められた。一方、DHCR24^<-/->マウスではAQP3の発現が上皮全層にわたり、未分化型ケラチンであるkeratin 14発現部位と一致した。このAQP3の発現増加は分離した上皮細胞へのグリセロールの取り込みを増加させると共に、上皮層のグリゼロール含量も増加させ、これに伴い上皮における水含量も増加した。DHCR24^<-/->マウスの上皮は未成熟なケラチノサイトと未成熟な角皮層からなり、上皮のバリアー機能が著しく損なわれている。従って、AOP3の過剰発現がDHCR24^<-/->マウスからの著しい水分の喪失の一因であることが示唆された。
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Research Products
(7 results)