2006 Fiscal Year Annual Research Report
エピジェネティック変化からみた造血器腫瘍発がん機構の解析
Project/Area Number |
06F06464
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松岡 雅雄 京都大学, ウイルス研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FAN Jun 京都大学, ウイルス研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | エピジェネティック / DNAメチル化 / 発がん / 白血病 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
1)MCA/RDA法を用いてB細胞性慢性リンパ性白血病(B-CLL)細胞を解析したところ高DNAメチル化よりも低DNAメチル化が優位であり低メチル化DNA領域が特定の染色体部位に集積して同定された。同時にB-CLL細胞の発現プロファイリングをGeneChip Human Genome U133A2.0 Array(Affymetrix)によって解析し、活性化Bリンパ球と比較しB-CLL特異的に発現が増加している遺伝子群が染色体の特定の領域に偏在する傾向を認めた。驚くべきことに、低メチル化DNAが局在する領域は活性化Bリンパ球と比べてB-CLLで転写が上昇している領域と一致しており(9q34,19P13.3)、B-CLL細胞における遺伝子発現異常とエピジェネティクスの密接な関係が明らかとなった。このようなDNAメチル化の異常と関連し発現上昇している領域に発がんに関与する遺伝子が存在する可能性があるが、我々は既に19p13.3に存在するtumor necrosis factor superfamily, member 14(TNFSF14:LIGHT)遺伝子がB-CU細胞で特異的に発現上昇していることを見出している。TNFSF14はTリンパ球の共役分子として報告されており、その受容体であるherpesvirus entry mediatorはB-CLL細胞で発現しておりauto-stimulationにより増殖に関与している可能性が高い。また、Diffuse large cell lymphoma(DLCL)細胞を用いてMCA/RDA法により異常メチル化領域を単離するとB-CLLと同様の領域が同定された。以上の結果から、B-CLLとDLCLという分化段階の近い腫瘍では同様のエピジェネティックな制御を受けていることが示唆された。 2)B-CLL細胞で発現が上昇する遺伝子群から発がんとの関連が疑われる遺伝子を選択し、siRNAにより、その発現抑制実験を行っている。
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Research Products
(1 results)