2007 Fiscal Year Annual Research Report
エピジェネティック変化からみた造血器腫瘍発がん機構の解析
Project/Area Number |
06F06464
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松岡 雅雄 Kyoto University, ウィルス研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FAN Jun 京都大学, ウィルス研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | エピジェネティック / DNAメチル化 / 発がん / 白血病 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
平成19年度の研究成果は以下の通りである。 1)慢性リンパ性白血病(chronic lymphocytic leukemia:CLL)細胞で低メチル化が集積した領域(9q34,19p13.3)はDNAchipによるトランスクリプトーム解析から転写が亢進した遺伝子がクラスターした部分と一致していた。この領域にコードされる遺伝子群を検索したところTNF受容体ファミリークラスターがあり、CLL細胞株で発現が増強されていることをRT-PCRで確認した。今後、その発現をsiRNAで抑制し増殖への関与を解析していく予定である。 2)Methylated CpG island amplification/representative difference assay(MCA/RDA)法を用いて異常メチル化を検出した。正常Bリンパ球と比較して悪性リンパ腫細胞(diffuse large celllymphoma)において高・低メチル化しているDNA断片を網羅的に単離したところ、慢性リンパ性白血病細胞(CLL)と同様の傾向を示し、低メチル化DNAが多く同定された。また低メチル化が集積する部位もCLLと同じ領域に同定された。この結果は低メチル化される領域が細胞系列特異的に決まっている可能性を示唆している。 3)異常メチル化と疾患の進行との関連を解析するためにCLL患者の異なる病期での腫瘍細胞におけるゲノムメチル化状態を解析したところ、進行と共に低メチル化の程度が強くなっており、病期進行との関連が明らかとなった。今後、悪性リンパ腫でも解析を行い、予後予測因子としての有用性を検討する。
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