2007 Fiscal Year Annual Research Report
家族性血小板血症の責任遺伝子c-Mpl変異Asn505の機能解析
Project/Area Number |
06F06467
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
上田 龍三 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丁 建民 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | thrombocythemia / dimerization / mutation / platelet |
Research Abstract |
(1)家族性血小板血症の発症遺伝子異常であるc-mpl変異(SerAsn505)の機能解析: Ser505Asn変異を有する細胞株は、リガンド非依存性に増殖し、細胞内シグナル活性化するとともに、c-mpl分子の自律性二量体形成能有することを確認しえた。また、c-mplの細胞外ドメインの欠失体でもSer505Asn変異株は、リガンド非依存性に二量体形成、シグナル活性化を誘導することを示し、二量体形成能は細胞外ドメインのs-s結合に依存していないことを明らかにし得た。さらに、変異アミノ酸を様々な別のアミノ酵に置換し、それぞれのシグナル活性化、二量体形成能を調べたところ、強い極性を有するアミノ酸置換体のみが二量体形成、シグナル活性を引き起こすことを見出し、Ser505Asn変異の自律性二量体形成は、アミノ酸極性に基づく水素結合に依存することを明らかにした。このことは、様々なサイトカイン受容体での膜貫通領域に存在する点変異を調査することで、その法則性が実証することができた。以上の結果により、本研究において受容体膜貫通領域の変異によるシグナル活性化機構を解明することができた。 (2)本態性血小板血症(ET)患者におけるTPO、c-mpl、Jak-2変異の解析:本態性血小板血症患者(ET)26例について、TPO、c-mpl、Jak-2変異解析を施行した。TPOは体細胞変異を認めなかったが、c-mplにおいては、1例において、細胞質内ドメインTrp515Leu体細胞変異を見出し、本変異株の細胞内シグナル活性化が確認され、本ET発症原因変異を同定しえた。Jak2においては、Val617Phe体細胞変異を8例に検出し本ET発症原因変異を同定した。また、c-mpl変異Trp515Leuは、JAK2変異Val617Phe陽性患者1例に共通して検出されることがわかり、あらたなET発症機序の可能性を示唆した。
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Research Products
(3 results)