2007 Fiscal Year Annual Research Report
ポリマー(ポリマーブレンド)/CNT系ナノコンポジットによる新規導電材料の創製
Project/Area Number |
06F06556
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
清水 博 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, ナノテクノロジー研究部門, 研究グループ長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GUANGXIN Chen 独立行政法人産業技術総合研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | カーボンナノチューブ(CNT) / 化学的修飾 / グラフト化 / 籠状シリカ化合物(POSS) / 二酸化チタン(TiO2) / POSS-g-CNT / TiO_2-g-CNT / ナノ分散 |
Research Abstract |
カーボンナノチューブ(CNT)、特に単層のCNTは従来の炭素化合物には見られない特異な性質を示し、金属にも半導体にもなるし、ダイヤモンドを凌ぐ熱伝導性を持つことが理論的に予測されている。当然、樹脂にCNTを分散させれば、導電性、熱伝導性等の物性が飛躍的に向上したナノコンポジットの創製が期待される。しかしながら、CNT等のフィラーを樹脂に微視的に分散させること、換言すれば"ナノ分散"させるのは実際には非常に困難であることが分かってきた。即ち、CNT等一次粒子がナノメーター次元を有するフィラーを樹脂に微視的に分散させること、換言すれば"ナノ分散"させるのは実際には非常に困難であることが分かってきた。即ち、CNT等一次粒子がナノメーター次元を有するフィラーを樹脂に微視的に分散させるにはフィラーと樹脂間の親和性を向上させる必要がある。フィラーと樹脂間の親和性を上げるには、界面活性剤の添加、フィラーの表面修飾を行うのが良いとされている。フィラーの表面改質の手法としては、プラズマ処理や超臨界流体処理など物理的な手法もあるが、グラフト重合等の化学的処理が有効である。 そこで、我々はグラフト化によるCNTの化学的修飾とそれら材料の樹脂への分散を試みた。 多層CNTの壁面に籠状シリカ化合物(POSS)やTiO_2をグラフト化により結合させ、POSS-g-CNT及びTiO_2-g-CNTを作製し、それらを樹脂に分散させることにより新規ナノコンポジット材料を創製した。これら化合物そのものが新規物質であるだけでなく、POSS-g-CNTでは多様な有機溶媒に可溶となっただけでなく、ポリ乳酸等の樹脂への分散性を著しく改善できた。さらに、TiO_2-g-CNTを樹脂に分散させた複合材料を創製し、光を当てると表面の電気伝導度が著しく低下することが分かり、特異な物性を示すナノコンポジット創製に成功した。
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Research Products
(8 results)