2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06560
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Research Institution | Kanagawa Academy of Science and Technology |
Principal Investigator |
笠井 淳平 Kanagawa Academy of Science and Technology, ナノ光磁気デバイスプロジェクト, 研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陳 同来 神奈川科学技術アカデミー, ナノ光磁気デバイスプロジェクト, 外国人特別研究員
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Keywords | 色素増感太陽電池 / 二酸化チタン / 透明導電体 / pn接合 / 窒素ドープ二酸化チタン / 光触媒 / エピタキシャル成長 / シード層 |
Research Abstract |
環境負荷や変換効率の観点からTiO_2薄膜を用いた色素増感太陽電池(DSSCs)が注目されている。現在のDSSCsはその寿命が内部電解液や封止の劣化に左右され十分でない。本研究では「透明電極・光感受部・正孔伝導部をTiO_2で一元化した全固体DSSCs構造を作成する」ことで電解液を不要とすることを目指した。具体的には(1)TiO_2べースの透明導電体に関する研究と(2)p型TiO_2の開発およびp-nホモ接合の作成を試みた。 本年度は、(2)についてアナターゼ型TiO_2にNをドープしてバンド構造を制御することでp型伝導の実現を試みた。これまで、TiN薄膜のアニールや溶液反応によるNドープTiO_2薄膜の作製が多数報告されているが、得られる薄膜はルチル型とアナターゼ型の混相であり、ドープ量も低濃度であった。そこで、高濃度のNドープに有効な手法と期待される単結晶基板上へのパルスレーザー堆積法(PLD法)に注目した。 PLD法を用いたNドープTiO_2の成長では、窒素の供給源としてN_2やNOなどの気体が用いられてきた。本研究では、酸素雰囲気化でTiNターゲットをレーザーアブレーションし、固体からNを供給することを着想した。X線回折と反射高速電子線回折により、TiNターゲットのアブレーション前にTiO_2ターゲットを用いて酸化物基板上に1ユニットセルのシード層をあらかじめ成長することで、アナターゼ型NドープTiO_2がlayer-by-layerでエピタキシャル成長することを明らかにした。さらに、X線光電子分光により、本手法によって15atom%という非常に高濃度のNがドープ可能であることを見出した。 作製した薄膜は予想に反してn型半導体であったが、バンド構造変化に伴う可視光吸収の増大が見られた。ここから、本手法により作製したNドープTiO_2薄膜は可視光応答型の光触媒として有望であると期待される。
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Research Products
(3 results)