2006 Fiscal Year Annual Research Report
超短波帯の電磁波による生体内非侵襲計測技術の開発と生活支援への応用
Project/Area Number |
06F06562
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
稗田 一郎 独立行政法人産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NAM KiChang 独立行政法人産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, 外国人特別研究員
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Keywords | 電磁波 / 誘電率分布 / 水分分布 / 非侵襲計測 / 生体内計測 |
Research Abstract |
高度な医療福祉機器は、わが国の国民や先進国の人々の医療・福祉に大きく貢献してきた。しかし、多くの発展途上国では、これら高度な機器の恩恵を受けることは少なく、先進国においても、高度な医療・福祉にかかる膨大な費用が重荷となっている。研究代表者の属する研究グループでは、このような見地から長年にわたり、広く人類に貢献しうる、簡便で安全な医療福祉技術の研究開発を行っている。現在はその中の、電磁波による生体内非侵襲計測技術の研究に注力している。この技術は、超短波帯等の微弱な電磁波を、接近させた小型アンテナ間で送受信する際、アンテナの近くに水分など、比誘電率の高い物質があるとその影響で電界強度が変化する現象を応用して、生体内の誘電率や水分の分布の計測を行うものである。試作、実験、改良による測定用アンテナの最適化、計算機シミュレーション等を行って、医療・福祉分野における実用装置開発に道筋をつけるのが本補助金による研究の目的である。 初年度である平成18年度(7か月間)においては、まず、二次元画像化のための計算処理について、シリンダー状の水槽を用いて測定を行い、二次元画像の再構築のために必要なフィルターの形式、前処理、画像化処理について工夫した。従来行っている別の方法と同品質の画像が得られた。また、周波数の違いによる測定結果への影響について検討するため、これまで用いていた50MHz帯よりも低い周波数である2から30MHzにて測定実験を行った。その結果、概ね14から30MHzにおいては、従来の50MHzと比較して、波長の違いほど解像度に差が出ないことが明らかになった。これは、アンテナ間隔、アンテナと被検体との距離が波長よりも著しく短いためと考えられる。今後の実験では、生体への浸透性、感度を主眼に条件を設定することが重要であるとの指針が得られた。
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