2006 Fiscal Year Annual Research Report
透明材料のレーザーアブレーションによる中空光導波路及び高機能光デバイスの作製
Project/Area Number |
06F06565
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
川口 喜三 独立行政法人産業技術総合研究所, 光技術研究部門, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AMIT Pratap Singh 独立行政法人産業技術総合研究所, 光技術研究部門, 外国人特別研究員
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Keywords | 透明材料 / レーザーアブレーション / 中空導波路 |
Research Abstract |
中空導波路を用いた高機能光デバイスとして、非共鳴型光導波(Antiresonant Guided Optical Waveguide(ARGOW))を利用した高感度屈折率計の作製を目標として、ARGOWによる導波光を測定可能な光学測定系の構築を試みた。この導波形態を利用することで、石英ガラス表面に特に光学反射層を作製することなく光を導波し、その導波状態に基づいて中空構造内部の屈折率を高感度に検出することが可能になる。光学ガラスとスペーサーにより擬似的に構築した中空導波路構造をモデル構造として、入射光のスポット径ならびに入射角の制御が可能な入射光学系、および、出射方向の光強度分布測定が可能なシステムを構築した。このモデル構造を使ったシステムを利用することでARGOによる導波状態を観測することとともに、出射側で導波モードの信号強度を検出することが可能になった。続いて、レーザー誘起背面湿式加工法(LIBWE法)による中空導波路作製について検討を行った。LIBWE法は当グループにより開発された石英ガラスの表面微細加工手法であり、クラック発生のない高品位な微細加工が可能な手法であるが、実際に作製した溝構造の加工面が中空導波路として利用するために十分な平坦性を有しているかどうか確認するべく深さ10〜50μmの溝構造作製を、種々の加工条件で行い、得られる溝構造の底面、ならびに、側面の平滑性を評価した。特に底面の平坦性については、その表面粗さが光の波長を大幅に下回る優れた平坦性を有していることが明らかになった。今後、LIBWE構造を利用したARGOWによる導波状態の形成を行い、高感度屈折率計としての利用を検討する予定である。
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