2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06571
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
澤山 茂樹 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオマス研究センター, 研究チーム長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YANG Yingnan 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオマス研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | メタン発酵 / 難分解性脂質 / バイオガス化 / 光メタン発酵 / システムの高効率化 / ビタミンB12 |
Research Abstract |
有機性廃棄物のバイオガス化は盛んに行われているが、現状ではそのシステムの高効率化と発酵液の処理が課題となっている。特に発酵において、難分解性物質の存在は高効率ガス化達成の律速になるので、難分解性物質の最適発行条件の検討が重要である。新しい発酵微生物固定化法によるシステムの高効率化を達成すると共に、発酵液を分離・精製して廃液処理と同時にビタミンB12のような付加価値の高いケミカルの同時生産システムが有効であると考えられる。 そこで、今年度はポリウレタン固定床リアクタに嫌気性難分解成分のモデル物質としてグリセロールを供給し、中温と高温条件によるリアクタのメタン発酵特性への影響を検討した。その結果、発酵の初期段階には中温の方が発酵特性は良好であったが、3ヶ月後に高温条件の方が中温より良くなった。その後グリセロールの負荷を上げると共に、中温条件において分解率は徐々に減少した。高温条件は、有機物分解率やガス化特性が優れていることが確認された。走査電子顕微鏡観察により、高温嫌気性発酵の担体に球菌や短桿菌、長桿菌など多種類の菌が固定されることが観察された。菌叢のクローン解析の結果、バクテリアとアーキアの存在が確認された。特に、グリセロールを基質とした高温嫌気性消化のアーキア菌叢解析により、水素資化性メタン生成菌が豊富に存在していることが明らかになった。 光メタン発酵システムの予備実験に於いて、光照射が水素・二酸化炭素資化性メタン生成菌の活性を促進し、ガス化効率の向上が認められた。光照射時間の違いによるメタン発酵特性への影響を検討した結果、連続照射より短時間の間歇照射実験系に於いて、高いメタン濃度とメタンガス生成が認められた。今回の実験系での最適な照射時間は、1日60分であった。 平成19年度は、平成18年度に得た知見を踏まえ、メタン発酵の高効率バイオガス化と発酵廃液中のビタミンB_<12>生産関連菌叢の解明を進め、高機能性メタン発酵システムの構築を目指す。
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Research Products
(3 results)